みんなで考えてみない?社会学から考える病院でのイジメ その3

かなり時間があいてしまいましたが、今回は対策編です。今までの記事(特にその1)を読んでからがいいかもしれません↓↓↓

※2/11加筆 本からそのまま引用した文章が多いです。本のパクリに近いのかも知れません。ぜひ原著を読んで欲しいと思います。 ...
前回書いた記事の続編です。 自分程度の人間が調べたものなんて、上の方々は既に知ってるんだろうなーぐらいに思ってたので予想以上の...

いじめは調べるほど複雑で広範囲。今後も時間をかけて取り組んでいくことにしました。今回は個人的意見と対策を提示させてください。

目次

  • イジメができなくなる状況
  • 対策
  • ヒントになりそうなこと
  • 初めての無力感と情けなさ

イジメができなくなる状況

加害者がいじめをできなくなる状態について、こう記してあります。

学校(病院)で群れの生活をしているときと、市民として生活しているときとでは、生きている感覚が激変しており、そのことが当人もよく理解できていない。ただ、自分が変わったとしか意識できない。

イジメの加害者たちは、自分達が「学校(病院)的」な空間のなかで生きていると感じている限り、自分達なりの「学校(病院)的」な生き方を堂々と貫く。

彼らがそのような振る舞いをやめるのは市民社会の論理に貫かれ、もはや「学校(病院)的」な生き方が通用しないと実感できたとき

(病院)と加えて記してみましたが、しっくりくるのではないでしょうか?そして最後の一文、これに解決策のヒントがあると思うのです。

対策

人間関係や激務など、言わずとも分かる我々看護師の職場ストレス。それに晒されながらもやっていく術についてです。個人的な考えと提案をあげます。

下記内容は、まさに「市民社会の論理に貫かれ、もはや「病院的」な生き方が通用しないと実感できたとき」に通ずる手段ではないかと思います。

たくさんの「分人」をつくる

「分人」をものすごく簡単に言うと「人間関係の幅を拡げること」「仲いい人と一緒にいる時間を増やす」です似たような記述は、今まで引用した著書の中にも共通して触れてあります。

「分人」は私が好きな作家、平野啓一郎さんが語る人間観のひとつ。「空白を満たしなさい」に出てきます。詳しくは著書か、こちらの「分人」をご覧下さい。

精神科臨床をもつ人間としては頷ける内容の多い一冊

自分の臨床経験からも言えるのですが、うつ病になる人はとにかく人間関係の幅がせまい。もしくは広くても浅すぎる。人との繋がりが薄いのです。

一概には言えないかもしれませんが、病院の外に趣味やコミュニティを持っている看護師は豊かな人間性を持ち、ストレスをうまく解消しているイメージがあるのですが、いかがでしょうか?

価値観を壊す

同じ環境に居続けることで、価値観が硬直化し、それが新人に向かう矛先となる。「なるほど」と膝打つブログがこちら

https://twitter.com/chi___z/status/1074834613783093249

現在アジアをラウンド中のバックパッカー看護師カサイチカさんのブログ。旅にでることで「価値観を壊すことの大切さ」をこのブログに記してあります。

ここでも病院の外につながりをもつことの大切さが記されてます。価値観を壊すことが、お局予防効果もあるとのこと。是非読んで欲しいです。

転職する

この業界で耳にする「まずは3年」。確かに同じ職場で一定期間働くことで身につくスキルやキャリアは大事です。

賛否両論ありますが、私は「自分が壊れるぐらいなら即辞めるべき」と考えてます。そもそも自分を壊してまでやるべき事仕なんてないとすら思ってます。

https://twitter.com/seasar_sa1ada/status/1027809970446721024

私の周りには、入職2週間で辞めた新人で転職先に恵まれ人間関係は良好。順調に看護師としてのキャリアを築いている人も。

他にもこのようなケースはあるのですが「とりあえず3年」はさっさと捨てて、あまりに辛い職場なら転職を選ぶのは有効な手だと思います。

そもそもブラック病院に人が集まることも良くないのです。

就職活動してる学生のみなさん。伝えるなら今だと思い書かせていただきます。 就職先を選ぶその判断がブラック病院を生む原因になりかねないよ、っ...

この事例のように上がなんとかしてくれることもありますが、それを待ってるあいだに自分がつぶれます。確実に。

ヒントになりそうなこと

イジメと直接は関係ないかもしれませんが、ヒントになると思ったものをあげます。ツイッターで掲載OKもらった方達のツイート、ブログです。

企業看護師 Jinさん

疲弊しきったなかでは、何が正しいのか分からなくなります。これはうつ病の方が「もう死ぬ以外の選択肢はない」と言ってしまうのと同じような状況に似ています。

観光業に転職する看護師 ゆうさん

ゆうさんのnote。春から看護師 → 観光業に転職するそうです。好きなことをする=「自分を取り戻すこと」

このnoteは読んでて胸が熱くなります。インスタにある写真達も是非(「夕日を背にした氷」は涙でるぐらい美しいです)

はなさん

はなさんの経験したバーンアウトは、職場がブラックではなくても遭遇するリスクのひとつ。心をすり減らす世界に居続けると自分を見失います。

教員としての無力感と情けなさ

https://twitter.com/seasar_sa1ada/status/1094754615868874752

現在、大学非常勤教員をやっております。最初の教え子達はもうすぐ3年目。その中で遭うたびに疲れきっていく卒業生達がいました。とにかく先輩達が怖いという。

  • 聞こえるような声で悪口をいう
  • 話しかけても無視
  • 挙句の果てに舌打ち

「それ明らかに理不尽でしょ。そんな病院さっさとやめたほうがいい」と言うのに対し、「やはり2年はやらないと…」と言う。

彼女達は草木も生えないほどにやられた自尊心をもって、自身の状況を冷静に見れてないとしか思えませんでした。

そんな精神状態ではどんな言葉も届かない。先ほどのJinさんのような状況です。(心理的視野狭窄という状態)

札幌の新人看護師が自殺した事件はご存知でしょうか?これを聞いたとき「自分の教え子達もこうなるのでは」と思うと、なんのために教育の現場にはいったのだろう、と。重苦しくなります。

イジメが起こる原因は複数の要因が関わっており、一概に断定できるものではありません。ただ病院という労働環境がイジメを生みやすくしているのは確か。

私自身の考えですが、元凶はお局でも病院でもなく、その背景にある医療制度、患者意識、医療者の意識、現代の死生観など全てに原因があると考えてます。社会そのものです。

と言っても私は政治も社会も法律もよく分かってません。かと言って、これらを学び明らかにしていくには、あまりに時間が足りません。

ただ、それぞれが手の届く範囲で、自分のできることをやり続ければ、何か変わってくるのではないか。そう思ってます。

最後にこちらのツイートです。

https://twitter.com/nursegoroku/status/1070954780036521984

どう感じたかはそれぞれにお任せします。

この記事を書くにあたり協力していただいたチカさん、Jinさん、ゆうさん、はなさん、ケロケロナースさん。突然の連絡にも関わらず、掲載を快く承諾していただきありがとうございます。

今回、このシリーズを書くにあたりいくつかメッセージをいただきました。微々たる数でも、こんな散文が何か考えるきっかけになったのは嬉しいです。

一方で調べれば調べるほど、迷宮入りしてしまう。そんな途方もない感情にも襲われます。ただ、私も自分に何が出来るかを考え、これからも行動していこうと思います。

参考文献

私とは何か――「個人」から「分人」へ/平野啓一郎

いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか/内藤朝雄

精神看護学[2] 精神看護の展開/武井麻子

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする